はじめに
楷書(かいしょ)という言葉をご存知でしょうか
既にご存知の方もいれば、聞いたことはあるけど何をさしているのかわからない。
そんな方もいるかもしれません。
実際、書道を普段から触れている方や習い事として習字をやっていた方以外は、学校で行う習字や書道の授業以外耳にすることがないほどです。
もしくは文字デザインを仕事にしている方が触れているかもしれないですね。
さて、そんな楷書とは何を示しているのか。辞典の中身を引用しながら徒然に書いていきますので一読頂けると幸いです。
楷書【かいしょ】とは
楷書は、漢代の標準的な書体であった隷書に代わって、南北朝から隋・唐にかけて標準となった書体である。行書体が確立した時代に発生したため、これらの中では最後に生まれたとされている。唐時代までは「楷書」とは呼ばれず、「隷書」「真書」「正書」と呼ばれていた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%B7%E6%9B%B8%E4%BD%93 wikipedia 楷書体
wikipediaで「楷書体」と検索すると出てくる説明を引用として載せてみました。
ざっくり言えば、日本の学校に通っている人であれば歴史の授業で習ったかもしれません。遣隋使、遣唐使があった時に使われていた文字、その中でも縦長で点画が明確にわかる文字全体を楷書と言っています。
現代のパソコンなどで普段使いしている。それこそ私がこの記事で使用している明朝体やゴシック体、游明朝体(ゆうみんちょうたい)とは違う書体のことを指します。
今では
- 漢字ドリル
- 習字、書道教室などで楷書体を習う時
- 書道家が楷書を使った作品を展示するとき
- 看板の書体が楷書のとき
- 書類で意識して楷書体のフォントを使うとき
こんな時が、私が楷書を目にする機会になります。
さて、その楷書ですが実はいろんな形があることはご存じでしょうか?
私は本格的に、習字から書道へと切り替えるまで楷書にも種類があることを知りませんでした。
楷書の種類とは
楷書は楷書でしょ?
何気なく日本で生活していると楷書は楷書である。と思う方が殆どかと思います。
「いや~楷書に種類があるなんてあたりまえじゃないですか」
「そんなの普通ですよ。」
そんな言葉がポロリと出てきた方はかなり書体に精通されている方だと存じます。
実際私は高校で、古典の臨書をする競書誌だけで習字をしている間はそんなこと気にしたこともありませんでした。
あまりだらだらと書くのも忍びないので、「楷書の種類」とは、何を指しているのか。
それは、楷書を追求した人たちの文字の癖だと私は考えています。
書道で古典の臨書を始められた方は、その古典の多さに驚いたり、気持ちが萎えてしまったり、やる気に満ちたりと色んな感想を持たれたのではないでしょうか。
よく、臨書のために用いられている中国法書選。全てで60+α冊の数があります。
多いですね~!!
その中で楷書が納められたものが19冊!!。
- 中国法書選 11:魏晋唐小楷集[魏・晋・唐/楷書]
- 中国法書選 19:爨宝子碑・爨龍顔碑[東晋・劉宋/楷書]
- 中国法書選 20:龍門二十品〈上〉[北魏/楷書]
- 中国法書選 21:龍門二十品〈下〉[北魏/楷書]
- 中国法書選 22:鄭羲下碑[北魏・鄭道昭/楷書]
- 中国法書選 23:張猛龍碑[北魏/楷書]
- 中国法書選 24:高貞碑[北魏/楷書]
- 中国法書選 25:墓誌銘集〈上〉[北魏/楷書]
- 中国法書選 26:墓誌銘集〈下〉[北魏・隋/楷書]
- 中国法書選 29:皇甫誕碑[唐・欧陽詢/楷書]
- 中国法書選 30:化度寺碑・温彦博碑[唐・欧陽詢/楷書]
- 中国法書選 31:九成宮醴泉銘[唐・欧陽詢/楷書]
- 中国法書選 32:孔子廟堂碑[唐・虞世南/楷書]
- 中国法書選 33:孟法師碑[唐・褚遂良/楷書]
- 中国法書選 34:雁塔聖教序[唐・褚遂良/楷書]
- 中国法書選 37:道因法師碑・泉男生墓誌銘[唐・欧陽通/楷書]
- 中国法書選 40:多宝塔碑[唐・顔真卿/楷書]
- 中国法書選 42:顔勤礼碑[唐・顔真卿/楷書]
- 中国法書選 45:玄秘塔碑[唐・柳公権/楷書]
他にも楷書が納められているものもありますが、別の書体(草書や行書)と混ざっているものは外しています。
上記の19冊が楷書のシリーズになります。
しかも、そのすべての楷書の雰囲気が違います。
それだけ、少なくとも19種類の楷書があるってことなんですね。
それにしても多い。。。
二玄社より ← 参考にしたサイト
楷書の臨書は何から始めたらよいか
楷書の臨書はどれから始めればいいか。
もし、使えるようになりたい楷書の形があればその古典を学ばれればいいかなと思います。
そうでなく、初めて楷書の臨書を始めますという人であれば
(あくまでこの記事を書いている私の考えでは)
- 美文字を目指す人
→ 中国法書選 31:九成宮醴泉銘[唐・欧陽詢/楷書] - 提灯やお寺の看板などを掛けるようになりたい人
→ 中国法書選 40:多宝塔碑[唐・顔真卿/楷書]
この2冊が楷書の軸になってくるかなと思っています。
また、この2人が楷書ツートップだとも思っております。
- 欧陽詢(おうようじゅん)
- 顔真卿(がんしんけい)
もし、「他の古典が楷書の基本です!!」と思っている方がいましたら教えてください!
私もまだまだ未熟な身ですので連絡いただけると幸いですWW
おわりに
楷書と言いても、実は現代のパソコンで使われている文字とは違う形のことを指していたり、19種類も楷書に種類があったりと。私は楷書についてざっくり調べましたが驚いてばかりでした。
これを読まれている方はいかがでしょうか?
驚いて頂けれたらうれしいです!!
画像が欲しいところですので、画像なども挿入していくようにちょっとずつ修正もしていけれたらなと思います。
もし、読み足りない。もっと楷書について知識を付けたい!!
そう感じている方がいらっしゃいましたら
先ずはWikipediaを熟読してみてください。
それだけでも楷書について身につくかなと思います。私も参考にさせていただきました!!
それでは、他にも書に関したことを発信していきますので、気長に待っていただけますと幸いです!