臨書おすすめ(楷書・行書・草書)

はじめに

書道を始めたばかりの方、高校の部活で臨書を初めて知って取り組まれる方(過去の私ですWW)、習字教室でやっている競書誌では飽きてしまい、やることを探している方。

書を嗜む人の中にはこんな方がたくさんいるかと思います。
いるよね???

今回は、そんな習字(書写)から書道へ移行する方へ基本となる臨書について
それぞれの書体に合わせて
おすすめの中国古典を紹介していきます!

中国古典シリーズ

楷書おすすめ

人物

楷書の臨書を行う上で、最も親しまれているものが下記の人物の古典になります。

  • 欧陽詢(おうようじゅん):唐の時代の人物
  • 虞世南(ぐせいなん):唐の時代の人物
  • 褚遂良(ちょすいりょう):唐の時代の人物
  • 顔真卿(がんしんけい):唐の時代の人物

唐の時代の方ばかりですね!

後は、人物名がないですが北魏(ほくぎ)の時代の古典も特徴のある楷書として有名です。

それぞれ特徴がありますので、文字の好み、仕事で使う文字などを吟味してから始められることをお勧めします。

おすすめ臨書順

芯のある細い線で楷書を書きたい方(静)

こちらは良く、美文字の教材などで使われる文字の基になっている古典です。

  1. 九成宮醴泉銘 (きゅうせいきゅうれいせんめい)【欧陽詢】
  2. 孔子廟堂碑(こうしびょうどうひ) 【虞世南】
  3. 雁塔聖教序(がんとうせいきょうじょ) 【褚遂良】

線の太い漢勝りな楷書を書きたい方(動)

こちらは祭りの提灯(ちょうちん)や歌舞伎(かぶき)、能(のう)、相撲(すもう)といった千社札(せんしゃふだ)などに使われる文字の基になっている古典です。

  1. 顔勤礼碑 (がんきいれいひ) 【顔真卿】
  2. 龍門二十品(りゅうもんにじっぽん) 【北魏】

他にもまだまだ臨書としての本はありますが、楷書の臨書をして始めるとしたら私は番号順にやりますので参考にして頂ければと思います。

是非、挑戦してみてください!!

行書おすすめ

次に行書のおすすめ古典について紹介していきます。

人物

行書で有名な人物としては、書聖と言わしめられている方もいるので、とても参考になるのではと思います。

  • 王義之(おうぎし):東晋(とうしん)の時代の人物。書聖
  • 顔真卿(がんしんけい):唐の時代の人物。楷書と同じ
  • 太宗(たいそう):唐の時代の人物。
  • 李邕(りよう):唐の時代の人物。

最も臨書をする上で親しまれているのが王義之(おうぎし)という人物ではないかなと思います。

書の世界では神みたいな扱いになっているので、是非とも王義之の書から雰囲気などを読み取り作品にしていきたいものです。

おすすめ臨書

しなやかでのある細い線で行書を書きたい方(静)

どちらも王義之のものになります。
行書の基本を身に付けたい方は蘭亭序
王義之のあらゆる行書体を身に付けたい方は集字聖教序がおすすめです。

  1. 蘭亭序(らんていじょ)
  2. 集字聖教序(じゅうじせいきょうじょ)

次に王義之を学んだ方で、行書を自分好みに派生させてみたい方は李邕がお勧めです。
下記の李思訓碑は王義之の書風を派生させてかかれた行書とされているため、応用方法を確認したい方は一学ありですWW。

  • 李思訓碑(りしくんのひ)【李邕】

躍動感の強い行書を書きたい方(動)

王義之の洗練された作品を(静)としたとき、少し荒々しい躍動感が見られる(動)の行書を臨書していきたい方はこちらがお勧めです。

  • 晋祠銘・温泉銘(しんしめい・おんせんめい)【太宗】
  • 祭姪文稿・祭伯文稿・争坐位文稿(さいてつぶんこう・さいはくぶんこう・そうざいぶんこう がんしんけい)【顔真卿】

祭姪文稿(さいしぶんこう)は草書の方向性が強いため、臨書を行う場合は行書・草書交じりであると意識するようにしましょう。

草書おすすめ

続いては草書のおすすめを紹介していきます。

草書は行書の基となった字であることから王義之も連なっています!
よくお店の看板で崩れすぎて読めない漢字や神社仏閣でくねくねとした文字を見かけますが、そのもととなった文字になります。

これらの文字が書けるようになると「草書」や「かな文字」が読めたり、掛け軸の文字に色を添えられるようになるなど表現の幅が広がるため、ぜひ学んで欲しい分野です!

人物

  • 王義之(おうぎし):東晋(とうしん)の時代の人物。書聖
  • 孫過庭(そんかてい):唐の時代の人物。
  • 懐素(かいそ):唐の時代の人物。

草書の基本の形を学びたい方(静)

十七帖は拓本(たくほん)が数種類あり、そのうちの2種類が取り上げられています。
また、下記2種は草書の基本となるためぜひ、どちらも取り組んで頂きたいところです!

  1. 十七帖(じゅうしちじょう)〈二種〉【王義之】
  2. 書譜(しょふ)【孫過庭】

芸術として、より柔らかい表現を学びたい方(動)

こちらは狂草(きょうそう)と呼ばれる草書をより自由奔放にしたものです。
草書作品をこれからやってみたい!!と思われる方はこちらをやってみるのが一興です!!

  • 自叙帖(じじょでん)【懐素】

おわりに

楷書、行書、草書の臨書をする上でおすすめの古典を紹介させていただきました。

※※※写真はまたしばらくしたら追加する予定ですので、先ずはいろいろと記事を書かせてください!!※※※

どの書体も動と静の書体。
静謐で芯のある書」と「躍動感のある荒々しさの見られる」書体の古典があり
上記の記事をご覧になったことで臨書の参考にして頂ければ幸いに思います。

臨書を始められる方は、
「こんな雰囲気のある文字を書けるようになりたい!!」

と、目的をもって取り組めまれる方が殆どかなと思います。
意識して臨書に取り組んでいくと古典の特徴を自分のものとしていくことができるので、ぜひ意識して書道ライフを楽しんでいってください!!

反対に、先生に言われたから漠然と取り組むだけでは書風を理解できず、ただ書いただけで終わってしまう可能性が高いです。

それでは書風身につかないばかりか、書道展で賞が取れないことになるためとても残念です。。。。

高校生以上の方であれば、臨書した作品を美術展に出品したり、毎日書道展読売書法展日本書道院展など、様々な公募に出品することも多くなってくることと思います。

なので、
臨書を取り組まれる際にはその書風を身に付けるぞ!!
やってやるぞ!!

そんな意気込みで臨書に取り組まれると幸いですWW

今回は楷書、行書、草書のおすすめ臨書を紹介させて頂きました。次回は隷書、篆書のおすすめ臨書も紹介させて頂きますのでぜひ、そちらも見に行っていただけると幸いです!!

コメント